着物の格というのも着物の買取価格には大きく影響します。
着物の格 ≒ 着物の種類というのは、着物の査定時に一番最初にみられるポイントです。
一般的に着物の格が高いほど買取価格は高くなる傾向がありますが、普段着使いが出来る格の低い着物の中には、格の高い着物よりもはるかに高く買い取ってもらえる着物もあります。
ここでは着物の格と買取価格の関係についてご紹介します。
着物の格とは
着物の格とは、そもそも何かというと着物のランクみたいなものです。
ランクというのは、高級かどうかという意味よりも、どういった場に着用できるかという意味合いの方が強いです。
どういうことかと言うと、洋服にもフォーマルとカジュアルがあるように、着物にもフォーマル、カジュアルという区別があるんです。
結婚式や披露宴など、格式ばった場に着用できるフォーマルの着物というのが格の高い着物です。
例えば、留袖、振袖、付け下げ、訪問着などがあります。
洋服で言えば、ドレスやタキシードといったところですね。
一方、そういったフォーマルな場には着用できず、普段着使いする着物というのが、格の低い着物になります。
例えば、紬や小紋、絣、銘仙、浴衣といった着物になります。
洋服で言えば、普段着として着るような服です。
ジーンズやデニムというと言いすぎかもしれませんが、こういう普段着で結婚式とか参加したらおかしいですよね?
洋服にもTPOがあるように、着物にも場によって着用できるものと着用できないものがあり、それが着物の「格」ということになります。
着物の格が高いほど買取価格は高い傾向
一般的に、着物の格が高いほど買取価格は高くなる傾向があります。
ただし、あくまでも傾向であって、格の高い着物の方が、格の低い着物よりも必ず高くなるということではないです。
着物の「格」というのは、着物のランクを表しますが、必ずしも価格のランクを表しているわけではありません。
格が高い着物だからといって、かならず高級な着物というわけではありません。
逆に、格の低い着物といっても、必ずしも安い着物というわけでもないです。
例えば、洋服でもフォーマルなスーツやドレスの中にも安物があったり、逆にデニムじゃジーンズの中にもびっくりするぐらい高価なものがあったりしますよね。
着物の場合も同様で、格の高い着物の中にも安いものがあったり、逆に格の低い着物の中にもビックリするぐらい高価な着物もあったりします。
このように着物の買取価格というのは、着物の格だけで100%決まるようなものではありません。
染めの着物は格が高いほど買取価格が高くなる傾向が顕著
着物には、大きくわけで染物と織物の二種類があります。
一般的に、染めの着物の場合には、格の高い着物ほど買取価格が高くなるという傾向が顕著になります。
一方、織りの着物というのは、染めの着物よりも格が低くなることが多いのですが、中には伝統工芸品の着物もあり、そういった着物は格が低くても買取価格はとても高くなります。
例えば、大島紬や結城紬、牛首紬といった織物は、格は低い着物ですが、非常に高価で買取されます。
格の低い着物の中にも高く売れる着物はある
一般的に、格の高い着物ほど買取価格は高くなる傾向がありますが、格の低い着物の中にも高く買い取ってもらえる着物というのは存在します。
格の低い着物のなかで、とくに高価買取が期待できる着物についてご紹介します。
大島紬
結城紬
牛首紬
格の低い着物を高く売るために証紙は必須
出典:バイセル 着物コラム
以上のように、格の低い着物でも高く売れる着物はあります。
大島紬や結城紬、牛首紬といった伝統工芸品の指定のある織物であれば、かなりの高価買取が期待できます。
これらの着物は格が低い普段着扱いの着物にはなりますが、格の高い普通の振袖、訪問着といった着物よりも高く買い取ってもらえます。
ただし、注意しないといけないポイントが1つあります。
それは証紙がない場合には買取価格が極端に下がってしまう可能性があるということ。
伝統工芸品であることを第三者に証明できる証紙がないと買取価格は極端に下る
こういった伝統工芸品の着物というのは、たとえ格が低く普段着扱でも高く売れます。
ただし、それは伝統工芸品であることを証明できた場合だけです。
せっかく伝統工芸品の着物であっても、証紙がないと第三者に産地や織元を証明することができないため、高価買取はとたんに難しくなります。
例えば、証紙があれば50万円ぐらいでも買取可能だったのに、証紙がないばっかりに数万円の買取価格になってしまう可能性もあるということです。
着物の査定員であれば、証紙がなくても本物か偽物かは鑑別できるのですが、中古市場で一般の人に売る場合には、証紙の有無というのが非常に重要になります。
証紙がないと、第三者に客観的に伝統工芸品であることを証明できないため、買取価格は一気に安くなってしまう可能性があります。
こういった伝統工芸品の着物を査定に出す場合には、かならず証紙といっしょに査定に出すようにしましょう。
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