着物の買取価格には、当然ながら着物の人気や需要も影響してきます。
人気のあるブランドや柄、色の着物は高く売れますし、使い勝手のよい汎用性のある着物は需要があるため高く買い取ってもらえます。
また、有名作家や伝統工芸品など希少性の高い着物も高く売れます。
ここでは着物の査定時に評価されるポイントとして、着物の人気や需要にかかわってくるポイントについて解説していきます。
着物の買取価格には人気、需要、希少性が影響する
着物の買取価格には、その着物の人気具合や需要、希少性なども関係してきます。
当然ですが、人気や需要のある着物の買取価格は高くなるし、逆に人気や需要のない着物の買取価格は低くなります。
また、希少性のある着物というのも買取価格は高騰します。
「モノの価格は需要と供給によって決まる」という経済学の原理は、着物の買取価格にももちろん当てはまります。
着物の査定時には、「人気のある柄や色、ブランドか?」、「着物を着る人にとって需要がある着物か?」、「あまり市場に出回っていない希少性の高い着物か?」といった観点からもチェックされています。
ここでは着物の査定時にチェックされる、これらのポイントについてご紹介します。
人気のある柄や色か
着物の査定時には、人気のある柄や色かというところもみられます。
当然ながら、着物にも流行の柄や色というものがあります。
着物の流行については、10年ぐらいの周期があるといわれています。
そのため、着物の年代のところでも述べましたが、購入から10年以内ぐらいの新しい着物ほど高く売れる傾向があります。
より現在のトレンドにあった着物である可能性が高いからです。
一方で、アンティーク着物の大正ロマン、昭和モダンのアール・デコ調のレトロモダンな柄というのは、今でも人気があるため買取価格にはプラスになります。
逆に、リサイクル着物の朱色や黄緑色の着物というのは、現在の流行からは外れているため、査定にはマイナスとなります。
実際に、40年ぐらい前の母のリサイクル着物を査定に出した時の様子はこちらをご覧ください。
逆に、現在の流行の色や柄に当てはまる場合には、着物の査定にはプラスになります。
人気のあるブランドか
着物にも人気のあるブランドというものが存在します。
いわゆる伝統工芸品のような希少性のある着物でなくても、人気ブランドの着物であれば買取価格は高くなります。
着物の査定時には人気ブランドの着物かどうかもチェックされます。
最近、若い人たちの間で人気の着物ブランドとしては、例えば以下のようなものが有名です。
撫松庵
撫松庵は、昔ながらの着物の柄とはことなり、現代と古典の柄を融合させた斬新なデザインで若い女性達の間で人気のブランドの着物です。
セオアルファ素材というシワになりにくいという化繊の素材を使った浴衣が、とても使いやすいとして人気です。
ツモリチサト
ツモリチサトも若い女性の間で人気のあるブランドの着物です。
津森千里が1990年に立ち上げたファッションブランドで、浴衣や訪問着、振り袖などの着物も展開しています。
需要のある着物か
人気があるかどうかと近いですが、需要のある着物かどうかも買取価格に影響してくるポイントです。
当然ですが、着物を買う人というのは、ほとんどの場合は自分で着るために買います。
そのため、いろいろなシーンで着用できるような、汎用性の高い着物ほど需要が高く、買取価格も高くなる傾向があります。
現代では、着物を普段着として着る人はほとんどおらず、結婚式や茶会など、フォーマルな場に着ていくという人がほとんどです。
そのため、小紋や紬といった格の低い普段着使いの着物は需要があまりなく、買取価格もそんなに高くなりません。
一方、訪問着のように格も高く、どんなシーンにも着用できるような着物は汎用性が高く、需要も高くなるため、買取価格も高くなります。
格の高い着物ほど買取価格が高くなる傾向があるというのは、こういった理由があるからです。
希少性の高い着物か
希少性の高い着物かどうかという点も、着物の査定時にはチェックされるポイントです。
当然ながら、希少性の高い着物ほど買取価格は高くなります。
「モノの価格は需要と供給で決まる」というように、供給が少ない、つまり希少性の高い着物というのは買取価格も高くなります。
紬や小紋といった格の低い普段着使いの着物というのは買取価格は低くなる傾向がありますが、大島紬や結城紬、牛首紬といった伝統工芸品指定のある着物の場合には、希少性が高いため、買取価格は非常に高くなります。
希少性の高い着物も証紙がないと査定は大幅マイナス
ただし、こういった希少性の高い着物の査定時に、とても重要になるのが証紙の存在です。
証紙とは、着物の産地や織元、伝統工芸品であることを証明する証明書のようなものなのですが、この証紙があるかどうかで買取価格にかなりの差が出てきてしまいます。
証紙があれば数十万円で買取可能な着物でも、証紙がないために数万円の買取価格になってしまうこともあります。
着物の査定員は、着物の知識があるため証紙がなくても本物かどうかの鑑別は出来るのですが、中古の着物市場で再販する際、第三者に産地などを客観的に証明する証紙の存在が非常に重要になってくるんです。
こういった希少性の高い着物を売る場合には、かならず証紙といっしょに査定に出すようにしましょう。
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